お気に入りの器を永く、お使いいただくために、ちょっとひと手間

沖縄の陶器・やちむんのお手入れ方法


 
沖縄の陶器・やちむんは、何度も使用していくうちに、お料理や飲料などの水分 (煮汁) や油分が染み込み、シミや変色、におい移りが起こる場合がございます。 
 
 なぜ、染み込むの?
土を主原料とする陶器は、吸水性が高いため水分や油分を吸収します。
 
 どこから、染み込むの?
陶器の表面には目に見えない小さなヒビ (貫入) や、穴 (ピンホール) があります。それらの箇所や、釉薬が施されていない素地 (無釉) の面から、水分や油分が染み込みます。
 
※ 貫入 = 陶器の焼成後、器を冷ます過程において発生する釉薬層のヒビ。
※ ピンホール = 焼成などの作業工程において、器の生地や釉薬に含まれる空気やガスが、内部から外部へ噴出する時に発生する小さな穴。
※ 貫入や、ピンホールなどによるヒビや穴は 「割れ」 ではございませんので、ご使用に問題はありません。
 
| 貫入による、染み込み (参考画像) |
 

使用初期は、洗浄後、器が乾燥すると、ほとんどの場合、消えますが、色素の強い食品の汁気などが、シミとなって残る場合がございます。 
 
| ピンホールによる、染み込み (参考画像)  |
 
貫入と同様、色素の強い食品の汁気などが、シミとなって残る場合がございます。
 
 染み込みを防ぎ、シミや変色を抑える、 お手入れ方法  「目止め」 
(注) 完全に 「防ぎ」 「抑える」 ことはできません。
 
 「目止め」 って何?
お米のとぎ汁など、デンプン質の液体に器を浸け置き、器全体をデンプン質でコーティングすることを 「目止め」 と言います。
お料理などによる、水分 (煮汁) や油分の染み込み原因となる、陶器表面の微細な貫入やピンホールをふさぐ役割を、このデンプン質が担ってくれます。
 
 必ず 「目止め」 をしないといけないの?
目止めをしなくても、器はご使用になれます。水分 (煮汁) や油分の染み込みなどによる器の経年変化を 「味わい」 として楽しまれている方も沢山いらっしゃいます。
シミや変色、におい移りが気になる方や、購入時の状態を長く維持したい方は、目止めを行なっていただくことで、安心して器をお使いいただけることと思います。
ひと手間かかりますが、器への愛着が深まり、永くご愛用いただくためにも 「目止め」 をお勧めいたします。
 
 いつ 「目止め」 を行なうの?
陶器をご購入後、お使いになる前に行なって下さい。その後、器の使用頻度にもよりますが、半年に1回など、定期的に目止めを行なうと、より効果的です。
 

 

【お料理を盛り付ける前に】

日々のご使用にあたり、お料理や飲料などの水分 (煮汁) や油分が 「染み込みにくくなる」 方法がございます。
 
① お料理を盛り付ける前の器を真水に浸します。
 
② 15分ほど浸したのち、器の表面の水気を拭き取り、お料理を盛り付けます。
※ 真水の浸漬より、効果は低くなりますが、器全体を流水にくぐらせる方法でも構いません。
 
真水を吸水した状態の器は、そうでない器と比べ、煮汁や油分が染み込みにくくなります。
 


 

【目止めの方法】

お米のとぎ汁・小麦粉・片栗粉を使用した 「目止めの方法」 をご紹介いたします。
 
※ これら3種ごとの 「目止め効果」 に、大きな差異はございません。ご用意しやすい物や、使用される方の食物アレルギーに該当しない物をご使用下さい。
※ 記されている手順や分量、時間は、実際に目止めを行なった実証結果によるものです。
※ 使用されている陶土、器の仕上げ方法など、個体ごとに結果が違う場合がございます。ご理解の上、作業を行なって下さい。
 

 

【お米のとぎ汁を使用した方法】

 

① 器が浸かるまで、お米のとぎ汁を鍋に入れて下さい。
※ お米のとぎ汁が薄すぎると、目止めの効果が低くなります。白濁状態で、鍋の底が見えないくらいが、最良です。
 
② 大さじ2杯の炊いたご飯を ① に加えて下さい。

※ お米のとぎ汁が薄い場合は、炊いたご飯を多めに加えて下さい。
 
③ 中火の火加減で、ゆっくりと温度を上げていきます。沸騰した際に出る泡のブクブクで鍋と器・器どうしがぶつからないよう注意しながら、火力を弱火におとし、続けて20分、器を煮沸して下さい。お米のとぎ汁と炊いたご飯が、お粥のようになっている状態が、最良です。
(注) 常温の水の状態から火をかけ、煮沸して下さい。決して、沸騰した状態の鍋に器を投入しないで下さい。破損につながります。
 
④ 火を切り、器を浸したまま自然に鍋を冷まします。そして、そのまま 8時間以上、器を浸け置いて下さい。
(注) 破損の原因となりますので、決して、器を急冷しないで下さい。
 
⑤ 器をお鍋から取り出し、とぎ汁のぬめりを綺麗に洗い流します。
 
⑥ 乾いた布で、しっかり水分を拭き取ったのち、2時間以上、自然乾燥させて下さい。
 

【小麦粉または、片栗粉を使用した方法】

 
① 器が浸かる量の水を鍋に張って下さい。
 
② 小麦粉または、片栗粉を加え、よくかき混ぜます。
※ 【水1リットルに対し、大さじ1杯】を基準に水溶液を作ります。白濁し、鍋の底が見えない状態になるように調整して下さい。
※ 小麦粉と片栗粉のどちらをお使いいただいても構いません。目止めの効果に大きな差異はございません。
 
③ 器を水溶液に浸けます。
 
④ 中火の火加減で、ゆっくりと温度を上げていきます。沸騰した際に出る泡のブクブクで鍋と器・器どうしがぶつからないよう注意しながら、火力を弱火におとし、続けて20分、器を煮沸して下さい。
(注) 常温の水の状態から火をかけ、煮沸して下さい。決して、沸騰した状態の鍋に器を投入しないで下さい。破損につながります。
 
⑤ 火を切り、器を浸したまま自然に鍋を冷まします。そして、そのまま 8時間以上、器を浸け置いて下さい。
(注) 破損の原因となりますので、決して、器を急冷しないで下さい。
 
⑥ 器をお鍋から取り出し、ぬめりを綺麗に洗い流します。
 
⑦ 乾いた布で、しっかり水分を拭き取ったのち、2時間以上、自然乾燥させて下さい。
 


 

【これだけは、やらないで ! 】

長時間にわたってお料理を器にのせたままにすることは、お避け下さい。シミや臭いが付くのはもちろん、洗浄しても、それらが、とれにくくなってしまいます。
 

【お使いになった後のお手入れ】

なるべく食器用洗剤は使わず、柔らかいスポンジで洗って下さい (脂汚れなどを落としたい場合に食器用洗剤をお使いになるときは、中性洗剤を薄めてお使い下さい) 食器用洗剤や汚れを綺麗に洗い流します。その後、水分を拭き取り、しっかり自然乾燥させて下さい。水分が残っていると、カビや臭いの原因となります。 
 

【シミやにおいが、ついてしまったら】

◯ 重曹や粗塩を使って洗う◯
シミや着色汚れが付いてしっまたら、水を含んだスポンジに大さじ1杯の重曹をのせ、シミや着色汚れの箇所をゆっくりと擦りながら洗って下さい。粗塩を使用する方法も効果的ですが、絵付けなどを傷つける可能性がございますので、重曹の使用をお勧めします。一度で落ちない場合は、重曹を再度加え、繰り返し擦り洗いを行なって下さい。
 
◯ 食器用漂白剤 (酸素系) を使用する◯
各メーカー食器用漂白剤の説明書や注意書きに従い浸け置きして下さい。その後、流水ですすぎながら漂白剤を落とし、しっかり自然乾燥させて下さい。
 
◯ 重曹水で煮ましょう◯
鍋に水を入れ、食用の重曹をたっぷり溶かし、器を入れて20分~30分煮沸します。その後、火を止め、鍋に入れたまま冷まし、ぬるま湯になったら器を取り出して、洗います。1回で落とせない場合は数回繰り返して下さい。
 


 
この度は、お買い上げいただき誠にありがとうございます。
 
作り手の方々は、土や釉薬の色、マットな質感や艶の出し方、料理の盛りつけを考えたり、和食が合うか ? 洋食が合うか ? サイズ感は丁度いいか ? 朝食のコーヒーに合うマグカップ、夕食のおかずを盛る大皿や家庭一人一人のご飯茶碗、一家団欒の情景をイメージしたり日々さまざまな想いを器に込めながら制作しています。
 
お手入れに少し手間はかかるけれど、作り手の想いと共に末永くご使用いただければ幸いです。